SPIインタラクティブの事業についてーはじめに、御社の事業について教えてください土井さん:SPIインタラクティブは20年以上の歴史がある、日本国内ではほぼ唯一独占的に”メディア・オーディット”を行っているSPIグループに属しています。SPIインタラクティブも同じくメディア・オーディットをサービスとして提供しており、その中でもデジタルメディアに特化して行っています。ーメディア・オーディットとは何ですか?土井さん:簡単にいうと広告の監視機能です。メディア・オーディットというのは日本語で言うと”媒体監査”と言う意味なのですが、正しく広告の取引が行われているのか、合意された通り行われているのかをチェックしています。ー強みや競争力について教えてください土井さん:日本で唯一、包括的なメディア・オーディット、マスメディアからデジタルメディアまで全てをやっているという点が強みです。テレビのメディア・オーディットをやっている会社は国内に2社ほどあるのですが、デジタルメディア・オーディットを行っている会社は皆無です。なので、独占的にその市場で優位性を保てています。ー土井さんが今後実現したいのは、どのようなことでしょうか。土井さん:今、とにかく会社の優先度としては、メディア・オーディットを普及させることが大事だと思ってます。グローバルプレイヤーをみても、メディア・オーディットをやっている会社って非常に限られているんですよ。2022年にデロイト トーマツ グループの傘下に加わり、これまでとは違う機会創出やグループ・シナジーが期待できるため、これからもっとサービスを大きくしていくことができると思います。また、世の中の動きとしても、広告の取引は監視の目が必要な領域だと認識されつつあります。2021年には、ブランド棄損やアドフラウド(広告費詐取)といった特有の脅威から広告活動を守り、より健全な市場形成を目指すための業界団体も発足しています。「テクノロジーは、メディア・オーディットを普及させる上での鍵になる」ー会社にとって、テクノロジーをどのように位置付けていますか土井さん:今の会社にとってのテクノロジーは、メディア・オーディットを普及させる上での鍵になると思っています。一般的に言うところのDXというのはまさに我々にこそ必要で、それに役立つのが各種のテクノロジーだと思ってます。メディア・オーディット自体、冒頭にお伝えしたように監視の役目を果たす必要があるのですが、デジタルメディアのトランザクションは人の目では追えないんですよ。なので、我々が今後目指していることを実現するにはテクノロジーなくしてはありえないです。いま取り組んでいるのは、人間がやっている広告データの収集~分析プロセスの多くを自動化するというとこですね。データを収集して、それを分析できる状態に成形して、実際に分析をしてアウトプットを出す一連のプロセスを対象に行っています。ーホライズンテクノロジーとデータ分析ツールを共同開発されているそうですが、それについて教えてください土井さん:大谷さんには、業務プロセス自体をロボティクス化していくというのをお願いしています。最初に、広告レポートデータを収集・集約する場所であるデータベースの作成をお願いしました。データを収集・集約する作業は単純なように見えて、実際にはシステムのプロに頼まないと我々では実現できませんでした。 その後、データを集計して人間が理解できる形にすることを第二のステップとして行い、第三のステップとして、その他の業務プロセスをロボット化する段階があります。 一般的には、RPAと呼ばれているもので、そこを助けてもらっているところです。「専用ツールとか、専用システムっていうのを作ってくれるホライズンさんが大事なパートナーです」ーホライズンとは以前からの付き合いだそうですが、取り組みが始まったきっかけについて教えてください。土井さん:メディア・監査の一環として、広告の状態を1つ1つ把握したいという相談をしたことがきっかけです。まず、広告が出ている場所や安全性をチェックするために、データ集計および分析用のプラットフォームを作成してもらいました。我々が持っている”プレースメント”と呼ばれるWebサイトやモバイル・アプリなどの媒体の情報は、とても量が多く重いので、Excelなどを使って集計分析することができなかったんです。そこをシステムで解決してもらいました。合わせて、このプレースメントへの掲載を実際に監視する作業も、元々人力でやってました。ただ、全量見ることはできないので、相当少量のサンプルを人間が見に行っていました。そこも自動的にシステムが巡回してデータを収集できるようになりました。これが1番最初の取り組みで、今も継続して改善を続けています。ーホライズンテクノロジーと一緒にやって良かったと思う点を教えてください。土井さん:柔軟性の一言に尽きます。弊社が相談する課題を、テクノロジーを使っていかに解決するかというのを、ゼロベースで考えるところから手伝ってくれます。一般的な開発会社は、オーダーしたことはやるけど、本質的な課題解決まで一緒に考えて伴走してくれる事は少ないと思います。例えば、一度開発したシステムを僅かでもアップデートしたいとなった場合、設計し直して、別料金で時間もかかることも多いと思います。発注側である我々にとっても、要件定義などの負荷が非常に大きいです。それに対して、大谷さんはまず弊社が持っているビジネス課題への理解が早い。同じ目線で考えてくれて、それをシステムで解決する方法を提示し、実現してくれるので助かってます。ディスカッション後にすぐプロトタイプを提示してくれるなど、アジリティの高さが特徴だと思います。ー今後、ホライズンテクノロジーとやってみたい取り組みなどあれば教えてください。土井さん:今まで作ってきた各種のツール類やデータベースなど、一連のシステムを商用化して、広く世の中の必要とする企業に使ってもらえるようなサービスにしていけたらいいなと思います。弊社はすごくニッチなことをしている会社なので、汎用的なツールで対応できることがほぼないんですよね。部分的に役立つツールはあっても、自分たちがやりたいこと全体にマッチしているかというと、さすがに無理なんですよ。なので、専用ツールとか、専用システムっていうのを作ってくれるホライズンさんが大事なパートナーです。将来の展望ー今後、土井さん自身はどのようにテクノロジーを活用していきたいですか。土井さん:あらゆることを簡単にしたいです。それに尽きますね。例えば、データを収集・集計する、たったそれだけのことにすごく工数がかかるんですよ。なのでこういった精緻さと労力を要する作業にこそRPAを活用したいと思います。テクノロジーによって、データの取り扱いに掛かるコストと労力を低減すれば、データを活用した状況理解や意思決定が、より手軽で身近なものになって行くと思います。ー最後に、ホライズンテクノロジーのメンバーにメッセージをいただけますか。土井さん:良いパートナーとして成長していければありがたいと思ってるので、これからもよろしくお願いします!